「スタイリング」に関する仮説→検証
今日は、後半の文章が長くなるのでいきなり分析結果から書かせてもらいます。
今日はスタイリングが「美味しそう!」に与える影響に関する調査です。
特に写真の中身は文章で説明する必要はないでしょう。
見て分かる通り、スプーン・フォークを置いたりスープやワインを置いたりしてみて、それが「美味しそう!」にどう影響するか調査したものです。
これは1回目同様、皆さんも選んでみて下さい。
(シンキングタイム)
結果は以下です。
(前回は円グラフにしたけど、横棒グラフの方が見やすいですね)
すべての要素(ナイフ・フォーク+スープ+ワイン)を盛り込んだNO.10が選ばれました。
「へえ」という感じですが、下にブルーのマットを敷いたNO.3とNO.4が2位と3位というのは非常に興味深いです。
そして、何も施していないNO.1がブービー、いかにもぬるそうなスープが取ってつけられた(笑)NO.8が最下位となりました。
ちなみに、第1回の調査の際に使った画像もそうですが、調査に使用されたハンバーグの写真は全く加熱していません。
上の画像もそうですが、当スタジオには電子レンジがないので(早く買わないと)レトルトのハンバーグを冷たい状態で出して、冷たいソースをかけただけです。
第1回目の調査に対し「NO.7は時間が経ったから乾燥してるのでは」と思った人もいると思いますが、違います。
全てライティングの影響のみです。
冷めたハンバーグでもライティングによってジューシーに見せたり乾燥したように見せたりできるということです。
ストーリーとしての写真戦略
さて、今回の調査結果と前回の調査結果から、いったい何がわかるのでしょうか?
全8回(予定)にわたり、調査結果を載せていきますが、この結果から皆さんに知っておいてほしいことはハンバーグの撮り方やスパゲッティの撮り方ではありません。
その1個上の上位概念である「すべての料理写真の撮影の際に必要なこと」です。
それを全8回から吸い取ってもらいたいと思っています。
私は、今回と前回の結果から料理写真に重要なのはストーリーではないかという仮説を立てています。
なぜなら、調査結果から「自分が食べている風景を想像できる写真が選ばれている」ということがわかるからです。
目線は普段食べている時に見ている目線の写真がいいし、普段ハンバーグを食べる時にはナイフとフォークを使っているからそれがあった方がいいのです。
これは、料理写真の撮り方のさらにもう1つ上の概念「広告写真撮影の際に必要なこと」にも適用できるのではないでしょうか?
以下、完全にカメラマンとしてではなく中小企業診断士として言いますけど、大事なのはあなた自身のターゲットです。
一昔前の温泉旅館の広告には裸の女性(たいてい2人組)(厳密には胸元にタオル巻いている)が温泉に入っているものが多かったですよね。
今でも使っている温泉旅館はあります。
しかし、その温泉旅館のターゲットは本当に女性2人組なのでしょうか?
ファミリー層がターゲットなのに裸の女性が温泉に入っている写真を使ってどうするんですか。
よくピタピタのTシャツを着た女性のセクシーな画像を使ったTシャツの広告ありますけど、確かにそうすると助平な男性がクリックするかもしれません(僕です)。
けど、クリックして、その画像見て、それだけでそのサイト閉じるじゃないですか。
あのTシャツ屋さんは、女性のセクシーな写真使ってクリック数上がって気分いいでしょうけど、絶対「Tシャツを売る」という最終目的にはつながってないですよ。
なぜならターゲットとコンセプトと写真がバラバラだからです。
ファミリー層をターゲットにした温泉が女性の写真を使っているのも全く同じです。
ターゲットとコンセプトと写真がバラバラだから集客にはつながらないと確信しています。
つまり、ターゲットの顧客層が写真を見て「温泉に入って家族で楽しい一時を過ごしている」ストーリーを描けないことが問題なのです。
ファミリー層をターゲットにするならば、みんなで笑いながらご飯食べている写真を使えばいいじゃないですか。
温泉の存在を強調したいなら、全員髪を濡らしておけばいいお湯に入ってきたことぐらい伝わりますよ(お父さんの首元にはタオルでも巻いておきましょう)。
温泉旅館が提供するのは「一家団らんのひととき」であって、「泉質」なんて売ってはいけないと思います。
本日のまとめ
なんか最後、熱くなりすぎた。
本日のまとめです。
■料理写真は見る人が「自分が食べているシーン」を描けるものでなくてはならない。
文章が長すぎたので、次回は文章短くしますm(_ _)m