ライトの色が「美味しそう!」与える影響
時間が経ちすぎて完全に忘れ去られた感のある「売上の上がる料理写真」シリーズですが、ラスト2回淡々と書き終えます。
今日はライトの光の色が「美味しそう!」に与える影響です。
もし飲食店の方が経費削減のためにスマホでメニュー写真を撮っている場合、地味に今回の調査が一番役に立つかもです。
調査に使った画像は以下で、「NO.1からNO.6まで何色に変えて撮ったのか(見ればわかるけど)」「そして日常生活で言うとそれは何のライトなのか」を下に解説します。
■NO.1 →適正の色(つまり白)。昼に窓から入ってくる自然光なんかはこの色です。
■NO.2 →青。朝に窓から入ってくる自然光なんかはこの色です。
■NO.3 →緑。蛍光灯の下で撮るとこうなります。
■NO.4 →赤(厳密に言えばマゼンタ)。日常生活になかなかこの色はないと思うけど、強いて言えば夕暮れの自然光はこの色です。
■NO.5 →黄色。タングステン光、つまり世の中の間接照明などに使われている光はこんな感じです。
■NO.6 →めっちゃ黄色。裸電球の下で撮ったらこれぐらい黄色くなる場合もあるかな。
そして、以下が回答結果になりますが、これは相当意外だったので頭のなかで予想してから読み進めてもいいかもしれません。
さて、こちらが世間が選んだ「美味しそう!」の結果です。
え!? NO.1じゃないの!!?
もう個人的には出来レース級にNO.1(適正な色)が1位で、2位がどれになるのかな?という調査だったのですが、まさかの3位。
人々が一番美味しそうだと感じたのは黄色に振った写真だったのです。
NO.6なんて、レイアウトの都合上5枚だとバランス悪いから、と、めっちゃ黄色にした写真で埋めただけなのに。
NO.1より評価上じゃないですか(笑)
ライトの色が「美味しくなさそう…」に与える影響
ただし!
です。
では、料理は黄色い光で撮ったらいいのか、というとちょっと待ったコールです。
というのも、連載第7回目にして初めて触れますが、今までの調査含め実は「美味しそう!」と逆の「美味しくなさそう…」についても調べているんです。
ただ、そこまで書いちゃうと文章が冗長だし、少しは朗と僕だけのマル秘データも持っていないと、という理由で割愛してきました。
それでも今回の調査に関しては「美味しくなさそう…」に関するデータも書いておかないといけないと思ったので書いておきます。
上記のNO.1〜NO.6の写真のどれが「美味しくなさそう…」と思われるかというと、調査結果はこちら。
青い光の下で見る料理が最も「おえ」となるようですが、注目すべきはNO.1です。
黄色い光で撮ると「美味しそう!」と思う人が多いのは事実です。しかし反面「美味しくなさそう…」と思う人もいるのです。
それに比べて、適正な光の下で撮影したNO.1はゼロ!!
「美味しそう!」では後塵を拝したNO.1ですが、リスクに関しては圧倒的であり、料理店は適正な光の色で撮影するのが最も無難なようです。
調査結果からわかること&普段の撮影への活かし方
色が「美味しそう」に与える影響に関しては過去にこのブログで触れていますし、内容はほぼ一緒なので詳しくは書きません。
今回は、調査結果を現実の照明にどう活かせばいいのか、という話だけをまとめます。
其の一、料理店の照明で使ってはいけないのが昼光色(色温度6500K前後、電球記号でいうとD)
其ノ二、攻めるなら温白色(色温度3500K前後、電球記号でいうとWW)※電球色(色温度2800K前後、電球記号でいうとL)はさすがにやり過ぎ
其の三、無難なのは昼白色(色温度5000K前後、電球記号でいうとN)
となります。
さらにメニューブックに関して言うならば、安い印刷会社で印刷すると出来上がりが青がかぶっていた、緑がかぶっていた、ということはよくありますし、ちゃんとした印刷会社を選ぶ必要性というのも今回の調査からわかる事実だと思います。
店内の照明の入れ替えを検討している飲食店のオーナー、新規開店しようと考えている飲食店のオーナーは心に留めておいてもらえたら幸いです。
いよいよ明日はグランドフィナーレになります。