「中年の星」
今年から担当している『ZENBI』の6月号が発刊されました。
今回撮影させていただいたのは、アテネ五輪で銀メダルを獲得し「中年の星」と呼ばれた山本博(やまもと ひろし)さんです。
このトレードマークの笑顔は今でも皆さん覚えていると思いますし、記憶の中の笑顔と全く同じですよね。
と普通に書いていますけど、アテネ五輪っていつだっけ?と調べたら2004年なんですね。つまり、14年前…!!
「そんなに前?」って感じですし、そう考えるといかに「あの頃と笑顔が一緒」だということがすごいかわかるはず。
目標から逆算する
よく撮影後にインタビュアーさんと一服して取材の話をすると「よく聞いてますね」と言われますが、カメラマンは撮影しながら取材の会話はずっと聞いてます。
だって、会話の内容を聞いていないと次にどんな表情をするか読めませんからね。
今回も撮影しながら話を聞いていましたけど、山本さんの話は恐ろしく論理的。
撮影前に調べる中で初めて知りましたが、弘前大学大学院で博士(医学)を取られているのですね。
だからなのか、山本さんの思考法がそもそもそうなのかは知りませんが、感覚的な話はほとんどない。こうしてこうしたらこうなるという道筋に沿ってご自身を調整していける強靭な精神力をお持ちの方でした。
ここまでやっているからメダリストなんだな、と思いました。
“何をするにしても必ず目標がある。目標があればそこには必ず時間の尺と質がある。その尺と質のバランスを検証していく”
山本さんは2020年東京オリンピックの予選から決勝までの詳細な日程を把握して、そこから逆算しているそうです。
ふだん「写真も目的が重要です」なんて人前で話していますけど、明確な日付まで意識して尺と質の観点で逆算・検証しているのか。
自分を省みる良い機会になりました。