食欲をそそる色とは?
写真 × マーケティング調査
先々週に「写真と色の関係に書く」と言った投稿の続きです。
何度も言っていますが、当スタジオが調べているのは「んで、結局どの写真が売上アップに影響するの?」ということです。
ファッション写真なら「すげーかっこいい」、けど買わない、じゃあ意味ないし。
料理写真なら「すごい綺麗」、けど食欲は湧かない、じゃあ意味ない、ということです。
それらを模索していますが、やってみると定性調査というものは、とんでもなく厄介でして。
極めようと思うと、永遠に続く沼に足を踏み入れている感覚になります。
写真 × カラーマーケティング
その中で唯一、シンプル、かつ理解がしやすいのが「色」の指標です。
例えば、過去に行った調査で以下のようなものがあります。
【アンケート調査詳細】
サンプル数:115
調査方法:インターネットリサーチ
調査機関:プロモートスタジオ巣鴨(株式会社POTS)
対象者:20代~60代の男女
割付:男女50%の均等割付
調査実施期間:2016/12/28~2017/01/11
Q.以下の写真で最も美味しく見える写真はどれですか?
この4枚の写真を見て、回答者115名が「最も美味しそう」と答えたものはどれだと思いますか?
答えは…
Webで!!
て、手法も今じゃ見かけなくなりましたね。
そもそもここがWebだし。
答えはNO.2です。
皆さんがどう思われたかわかりませんが、個人的には相当びっくりしました。
だって今まで食品の撮影してきて黄色の背景紙なんて持って行ったことないし、撮影したこともないですよ。
けどなんで今回黄色を試そうと思ったかっていうのが先々週話した野村順一先生なんです。
というのも、野村先生の本の中に【食欲訴求色】という話が出てきて以下の図が掲載されています。
図をシンプルに読み取ると、赤と黄色と青で食欲が湧く、ということです。
赤は中華とかでよく見るしわかる、けど黄色と青!?
いやいやいやいや、大学の授業でも青は食欲を減退させるとか聞いたし、青はないでしょー、けど、ま、試しに黄色だけは持ってってみっか。てな感じで入れた黄色がまさかの1位。
ちなみに、パーセンテージはこんな感じ。
赤と黒とは大差ないものの、圧倒的な不人気が背景白。
これまた、カメラマンならけっこう衝撃的じゃありません?
僕、背景の色指定されずに背景紙一本持っていくとしたら、きっと「無難に白でいっか」とか言って白持っていってましたよ、今までなら。
それに世の中にも背景白のメニュー写真なんて腐るほどあるじゃないですか。
それが圧倒的な最下位ですよ。
写真 × マーケティングの可能性
いやけど、上記のマーケティング調査はまだ試行錯誤の段階で、反省すべき点は多いです。
まず第一に四色だけだった点。
なぜ青を入れなかったのか、と。
背景紙持っていくの大変だったから、が90%の理由ですけど、前述の通り「青なんてない」という先入観があったのは間違いないです。
けど、結局カメラマンとしての経験よりも野村先生の理論の方が合っていた。
なら青も入れておけば良かった。
青緑も入れれば良かった。
とにかくトライアンドエラーです。
次は入れます。
そして上記データはあくまで塩ラーメンの話。
チョコレートなら?寿司なら?イタリアンなら?
そしてそれらに対して「色」「構図」「ライティング」「付属品」の軸で調べなくてはいけません。
もっと資金に余裕があれば「トリミングしたら?」「被写界深度(ボケたり、ピントが合ってたりということです)でどう変わる?」の軸でもやってみたい。
知りたいこと、知らなくてはいけないことは無限にある。
本当に気が遠くなるけど、これら全てを数字で把握出来た時、当スタジオは「真に売上に貢献する写真」を撮れる日本で唯一のスタジオとなるのです。
追記1
「売上」を謳っている以上、上記のラーメンの写真のお店は実際にありますし、調査後の写真を使ってもらってどれくらい売上が伸びたか?も調べてます。
結果、写真のチカラで注文数は大幅アップしています。
そういう話も今後ちょくちょくと書ければと思います。
追記2
マーケティング調査は食べ物だけに限りません。むしろ当スタジオのメインは士業の宣材写真。その中でも中小企業診断士のプロフィール写真です。
というわけで「どのプロフィール写真が結局好感度が高いのか?」を一番お金をかけて調べています。
この調査結果も、めっちゃくちゃ面白い、のですが!
実は、このネタ、ある雑誌に気に入ってもらい8月号に掲載予定なんです。
というわけで、雑誌発行前に中身をここで書くわけにもいかず…。
雑誌掲載後はそっちの話をメインにしていきます、が、5ヶ月後かぁ…。早く書きたいなぁ…。